数十年前は女性が経営者を務める例は少数でしたが、近年はさほど珍しいとは言えない時代になっています。
会社を経営していくにあたっては当然苦労を伴い、困難を乗り越えていかなければなりませんから、女性でも社長としての適性がなければ経営に失敗してしまいます。
本章では経営者に向いていると思われる女性の特徴や性格などをいくつか取り上げてみますので、起業を考えている、あるいは起業したけれど自分に社長としての適性があるか心配だという人は参考になさってください。
Contents
男性にライバル意識を持っている
これは男性嫌いということではなく、良い意味でライバル意識をもっているということです。
自分で認識している人もいるでしょうし、潜在意識として心の中に持っている人もいるでしょう。
昔は多かった、男性に指示されて動く女性像、雑用やお茶くみをする女性像といったものに嫌悪感を持ち、反骨精神をもって主体的に仕事に取り組む女性は優秀なビジネスパーソンの素質があると言えます。
さらに経営者を目指す女性であれば単なるビジネスパーソンではなく会社を率いる統率力が求められますから、「男性(あるいは男性経営者)には負けないぞ」という意識が強いほどビジネスを進める原動力になるでしょう。
コミュニケーション能力が高い
女性は対立を避け、場を取り持つためのコミュニケーション能力に長けていると言われることがあります。
争いを避け生命の安全を図るという、大昔の生物学的な本能が備わっているという意見もあるようです。
これが本当かどうかは別として、確かに一般的には女性は人の話を聞き、場の雰囲気が悪くならないように配慮する姿勢が男性と比べると強いような気がします。
場の雰囲気や他人の意見に簡単に流されてしまっては経営者として失格ですが、いわゆる調整能力として、社内の雰囲気を良くしたり、相手の警戒心を解くことができる女性は社内統率の面でも、対外的な取り引きの面でも有利になるでしょう。
女性同士でつるまない
給湯室に女性同士で集まって社内のグチを言い合うようなシーンをドラマ等でよく見ますが、これはこれでストレス発散などの意味もあり必ずしも否定するものではありません。
雑用等がメインとなるような社員であれば、こうした発散の場も必要なのかもしれません。
しかし経営者を目指す女性であれば、女性同士で集まって積極的に陰口をたたくという行為には否定的な態度を取る人が多いと思われます。
他人とつるまなければ自分を保てないような人はその時点で経営者には向いていないと言えますが、一人でいても気にしない、むしろ単独行動が性に合うという性格の方が経営者には向いています。
家庭より会社を重視できる
勤め人として働く人は労働法令に守られているので比較的両立させやすい環境にありますが、経営者はそうはいきません。
例えば出産や子育ての問題を考えた時、一般の勤め人であれば出産を優先して子育てに専念する時期を設けることができます。
勤め人は代わりが利くことと、対外的な取り引きには影響しないので調整が利きますが、経営者は対外的な問題もあるのでそうはいきません。
そのため経営を優先して出産の時期をずらしたり、出産自体を望まないという選択ももしかしたら必要になるかもしれません。
会社が軌道にのっていれば調整は利くので必ずしも不利益を甘受しなければならないわけではありませんが、意識の面では家庭よりも経営に重きを置ける女性が経営者向きと言えます。
自己管理ができる
男性女性問わず、自己管理ができることは経営者にとって必要な要素です。
体調面の管理については男性と比べると女性の方が難しい面もあり、この点では不利と言えるかもしれません。
特にビジネスの立ち上げ当初は経営者の生活は不規則になりがちなので、健康や体調面をうまく管理できないと経営を軌道に乗せることができなくなります。
並外れたガッツがある
これは女性に限った話ではありませんが、会社を運営していく中では必ず壁にぶちあたるときが来ます。
立ち上げからずっと順調に進むことはまずないので、困難は必ず訪れると考えるべきです。
困難な状況を打開するには経営者のガッツとあきらめの悪さがモノを言います。
周りに流されない
これは言い換えれば自分の要求に素直であるとも言えます。
例えば友人同士で集まってランチやディナーに繰り出そうという場面で、自分の意見を主張せずに他人の好みを優先する人は多いと思います。
そのような場面で、自分の今の欲求を主張することに違和感を感じない性格であれば経営者的素質があるといって良いかもしれません。
喧嘩してまで自分の意見を通すということではなく、自分の意見は主張し、可能であれば周りを先導することで自分の要求を実現するということです。
周りに流されず、自分の意見を大事にすることは経営者の素質として重要です。
機敏である
成功している女性社長を拝見すると、ほとんどの人の言動はシャープでキリっとしている印象があります。
社長業は他方面に気を配らなければならず、常に先の先を見て行動する必要があるので、性格的に機敏でないと成功に近づくのは難しいかもしれません。
もちろん業種、業態によって一概には言えませんが、実際のところ成功している女性社長の多くに機敏性が見られます。
成功に向けた正確なビジョンを描ける
女性に限ったことではありませんが、成功している経営者は将来のビジョンを具体的に描いて、これを実現させるための手順を一つ一つ踏んで今の地位を掴んでいます。
自分にとっての成功とは何かを具体的に想像でき、そのステップを踏んでいくことが苦にならない、楽しめるようであれば、男性女性問わず経営者の素質ありと言えるでしょう。
マスコミ等で紹介された女性社長や自分の周囲にいる女性社長で目標にできる人がいれば、自分もそうなれるかイメージしてみましょう。
経営者仲間に敵視されない
会社を運営していくためには取引先と良い付き合いを維持していく必要があります。
この点、個人対個人の関係で良い付き合いを構築する必要があるので、煙たがられたり、付き合いを敬遠されてしまっては会社同士の付き合いに発展させることも難しくなります。
人として好かれる、魅力のある人物であれば同じ経営者仲間として認められ、ビジネスも順調に進めていくことができます。
経理・財務に強い
女性経営者の中には特に経理や財務管理を得意としている人もいます。
数字に強い経営者は自社の状態を俯瞰して見る能力に長けているので、問題点に早く気付くことができたり、状況を改善するための方策を考える際に有利になります。
雇われ人となる単なる経理部員は経営的目線で数字を見ることができませんが、経営者であればそれができます。
自社社員に尊敬される
対内的には自社の社員をうまく束ね、チームとして運用していく能力も求められます。
自社の社員や役員から信頼され、尊敬される女性社長は社員マネジメントが利いているので安定した成長が望めます。
人を引き付ける魅力があり、先導していくリーダーシップのある女性が経営者として成功できるでしょう。
まとめ
この回では経営者に向いている女性の特徴や性格を色々と見てきました。
経営者に求められる素質や素養は男性、女性に共通するものも多く、必ずしも女性だからこうでなければならない、と考える必要はありません。
最近は各地で女性社長の会なども開催され、創業を目指す女性を支援してくれるイベントもあるようですので、こうした機会を捉えて現場の女性社長の生の意見を聞いてみると面白いかもしれませんね。