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飲食店が人手不足で閉店続出!?
そして不祥事が相次ぐ原因とは?

飲食店が人手不足で閉店続出!?そして不祥事が相次ぐ原因とは?

今、人材市場では売り手優位と言われており、各社人材確保に苦労しているというニュースが聞かれます。

新卒採用者の給与をかなり増額して話題になることもあるので、一般の方も売り手市場であることは何となく承知していることでしょう。

人手不足は特に飲食業界で深刻になっていて、中には閉店を余儀なくされるところも出ています。

また飲食業界では不祥事が多発していることも見逃せません。

本章では特に飲食業界に焦点を当てて、人手不足の要因や不祥事が起きる原因、また対処法などについて見ていきます。

データから見る人手不足事情

データから見る人手不足事情

主に法人の信用調査を手掛ける大手、帝国データバンクが企業の人手不足感を調査したところ、飲食業界で「人手が不足している」と答えたのは正社員について65.9%、非正社員については84.1%という数字が出ています。

非正規でも80%を超える数値ですから、人手不足はかなり深刻と言えます。

正社員が不足すれば企業根幹の維持も難しくなりますから、これでは閉店、閉業する所が出てきてもおかしくはありませんね。

人手不足になる理由は?

人手不足になる理由は?

では飲食業で人手不足になる理由はどんなところにあるのでしょうか。

以下で考えられる原因について見ていきます。

コロナ事情下による影響

まず、近年の特殊事情としてコロナ禍による影響があります。

従業員の中に感染者や濃厚接触者がでると療養や隔離が必要になります。

感染や濃厚接触という事象はいつ起きるか分からず、対象になれば長期の職場離脱を余儀なくされます。

予定されていたシフトを調整してなんとかなれば良いですが、いつ、どれだけの従業員が離脱するのかは予測できないので、シフトに余裕を持たせるのは至難の業です。

実際、従業員が大量離脱して店が続けられず一定期間お休みとする店も出ています。

供給側の飲食業界忌避

飲食業界といっても各事業者によってイメージや雇用条件は違うので一概には言えませんが、一般的に飲食業界は低賃金、長時間労働のイメージが強いかもしれません。

基本立ち仕事が多く、体力的に厳しい面があるのは否めませんし、これを納得させる高単価の賃金を支払えるところはそう多くないでしょう。

労働条件は比較的厳しく、給与の面でもそれほど好待遇ではないということで、労働力供給側による飲食業忌避(避ける)の姿勢がベースにあるのかもしれません。

短期雇用に頼りがち

元々飲食業界はコアとなる少数の人材以外は短期雇用者で現場を回していく事業形態が多いので、雇用が定着しにくい側面があります。

働く側も長期で働くことを想定しておらず、期間が満了すればそのまま辞めてしまうことになります。

この条件下でうまく人材をやりくりできれば良いのですが、上手く回せないと残った従業員に大きな負担がかかります。

「抜けたら雇えばいい」という単純な話ではなく、雇った後は一定期間教育しなければ十分な戦力になりません。
戦力として育つまでは残った従業員がその負担を被ることになるので、これにより嫌気が指して辞めてしまうこともあるかもしれませんね。

クレーム増加による働きにくさ

こちらは社会的な問題とも言えますが、昨今は何かと企業にクレームが付けられる事象が多発しています。

元々日本の接客業は海外と比べて丁寧なこともあり、真摯に対応することを是とする姿勢が強いですが、飲食は特にクレームが付きやすい業界ですので、最前線で対応する従業員が精神的に追い詰められやすくなります。

土下座強要事案なども多く聞かれますので、こうしたイメージが飲食業忌避にさらに拍車をかけます。

不祥事多発の背景にも人手不足が影響している?

不祥事多発の背景にも人手不足が影響している?

飲食業界では以前から不祥事が多発していて、実は人手不足が不祥事発生の一因と考えられています。

人手不足は経営的にも危機と言えますが、働く側からすればメンタルの故障ややる気の欠如につながり、モラルの低下から不祥事を起こすリスクが上がります。

労働の質が落ちるだけならばまだしも、酷い場合は「俺を酷使するこんなひどい職場に復讐してやる」という積極的な加害意識を持たれることもあるので、従業員管理は経営者にとって非常に機微な問題でもあります。

最近では、回転ずし大手で動物を店内で飼育し不衛生な環境にしたり、大手牛丼チェーン店ではわいせつ事案も発生しています。

その他名の知れたお店でも従業員が勝手な行動をしてその状況を動画に投稿するなど、いわゆる「バイトテロ」のような事案もありますね。

高賃金で労働負荷が低ければこうした不祥事が絶対起きないというわけではありませんが、働く環境が悪ければ従業員の意識低下、モラル低下から不祥事が起きやすくなることは想像できます。

人手不足に対する対応策は?

人手不足に対する対応策は?

では企業側として人手不足の状況にどのように対処すればよいのでしょうか。

企業によって事情が異なるので一概には言えませんが、ここでは企業として取れる対策の例をいくつか見ていきます。

営業時間の見直し

人出が足りなくなるとそのしわ寄せはすぐに現場従業員にくるので、直接的に不満がでることが予想されます。

いわゆる「ワンオペ」などはその典型です。

割ける人手がないのであれば、営業時間を見直して業務を縮小することも考える必要があります。

24時間営業のお店は特に人手不足の影響が出やすくなるので、思い切って夜間の営業を一時停止することもあり得ます。

作業効率を上げる

これまで特に生産効率について検討していないお店であれば、できるだけ効率的に従業員を動かすために動線管理を徹底することもできます。

非効率な動きがあればこれを是正し、より少ない負担でより効果の高いサービス提供ができるように、管理者として効率的な職場環境を整備することを模索してみましょう。

またITシステムをうまく取り入れることで効率をUPさせることもできます。

例えばWEB予約システムを組み入れて電話対応の手間を減らす、キャッシュレス決済を導入してレジの負担を減らすなどが考えられます。

福利厚生を考える

採用面で多くの人材に興味を持ってもらえるように、福利厚生を充実させることもできます。

各種手当の充実や休暇を取りやすい体制を作ってアピールすれば、他の飲食店と比べて魅力が上がり、有利な人材採用につなげることができます。

人材供給システムを見直す

求人誌やハローワークなど一般的な採用システムの枠組みでは急な欠員に対応することが難しく、また柔軟性のある人材確保が難しいでしょう。

「今日の欠員1名を確保したい」「来週の日曜日だけ働いてもらいたい」などの事情に対応することは難しいので、これに対応するサービスの活用を考えてみましょう。

人材派遣会社と掛け合って即日の人材確保を可能にしておく、ワンデイワークなどのマッチングサービスを活用して超短期で働ける人材を確保できるようにしておくなどの対応が考えられます。

まとめ

まとめ

本章では飲食業界の人材不足や不祥事発生の問題とその対応策などについて見てきました。

飲食業界は従業員管理が難しく、人手不足が生じやすい業態と言えます。

コロナ禍でその事情に拍車がかかっていますので、経営側の対応も難しくなっていることでしょう。

社会的な要因も絡むため一朝一夕で解決することは難しいですが、持てるリソースをできるだけ効率的に運用し、貴重な人材を流失させないよう努力が求められます。

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